新宿区神楽坂にある。計算用具に関しては世界で最も充実したコレクションを持っている博物館だった。
ホームページ:http://www.tus.ac.jp/info/setubi/museum/
残念ながら2019年4月よりリニューアルということで休館している。
リニューアル後には理科大の創立の理念を伝える場になるということであるが詳細は不明。
計算用具に関しては世界で最も充実したコレクションを持っている博物館だった。
来館者は普段見ることがない多くの貴重な計算尺や機械式の計算機に圧倒され、先人の業績を振り返っていたが、こうした貴重な場がなくなり残念である。
電卓博物館からも、ビジコン社の141-PFやシャープの歴史的電卓などコンピュータの発達過程で大きな役割を果たした歴史的製品を寄託し展示したが、リニューアルに伴い公開ができなくなり寄託を取りやめたところである。
情報化技術の発展に日本が果たした役割を後世に伝える重要な資料館だっただけに非常に残念なことである。
近年、大学の博物館や企業の博物館が次々と閉鎖しています。理由はいろいろあるでしょうが、目先の利益に囚われるあまり、博物館の運営費用に手を付けるようになったことが原因と言えるのではないでしょうか。
博物館の閉鎖により私たちは貴重な産業遺産を直接目にすることができなくなっています。私は、こうした状況は単に懐古趣味で残念ということではなく、日本の将来にとって極めて由々しき事態であると考えています。なぜなら「科学技術の歴史を軽視する国は亡びる」からです。
現在、日本が科学技術で世界にトップに君臨しているのは、それを築き上げた先人たちの不屈の努力があったからです。こうした先人たちの努力を振り返り、その偉業を称えることは、これから新しい技術革新に取り組む人たちに大きな勇気と希望を与えます。また、科学技術の発展を志す若者の増加につながります。
また、科学の歴史は、掘り起し、広く主張しない限り、忘れられてしまい、「なかったこと」になってしまいます。例えばコンピュータの歴史をとってみても、アメリカがコンピュータを作り、そのコンピュータを世界中の多くの国が利用していると単純に考えられていますが、科学史に興味を持った人なら、コンピュータやマイクロチップの開発に日本は独自で様々なチャレンジをし、一部では非常に重要な役割を果たしてきたことを知っています。しかし、こうした技術開発の歴史を掘り起こし、世界に発信していかなければ、いずれこうした事実も忘れ去られ、日本は他の多くの国と同じように、アメリカが開発したコンピュータの技術をただ乗りさせてもらっているということになってしまいます。
過去の歴史上の事実を現在、将来の視点で掘り起し、整理し、発信していくことは国にとって極めて重要な問題です。誤った認識が一般化すると、最終的に国益を大きく損ねることを日本人はしっかりと認識すべきです。博物館はそのための重要な国家戦略としての役割を担っています。巨大な博物館を作り、世界中から貴重な産業遺産を収集しているアメリカと、博物館の運営費に四苦八苦し、次々に博物館を閉鎖している日本、こうした状況は将来大きな禍根を残すといえます。今こそ、博物館の役割を再認識すべきときであるといえます。
電卓博物館は、こうした危機感を持ちつつ、個人としてできるささやかな取り組みとして電卓に関する情報の収集を続けてまいります。
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