1874年ロシアのオドネルは十進装置、置数装置、文字繰装置をドラムを用いた今の機械式計算機の原型を作ることに成功したが、ドイツのブルンスビガ社は1892年にオドネルよりこれらの特許を買取り、大量の機械式計算機を市場に送り出した。

 この Midget は、ドイツではModel M という名前で1908年から1927年にかけて販売されたものであり、米国ではMidget という名前で革張りのケースに入れ販売された。当博物館の Midget は米国コネチカット州のディーラーから購入したものである。

 ところで、タイガー計算機の創始者である大本寅治郎は、1923年に機械式計算機を完成させ「虎印計算器」として販売を開始するが、その最初の機種のデザインはこのMidget と酷似しており、計算機の開発に際しこのMidgetが参考にされたと推測される。


Brunsviga Midget